中国の荒廃山地における土砂流出
大獲(たあほう)試験地は中国南部、江西省に位置し,大躍進時代(1957〜1960年)に木材が大量に伐採された上,付近の農民がリターを燃料として利用する目的で回収するため森林土壌の発達が見られない典型的な荒廃山地です。その結果下流域では河床の上昇が生じ,水運等に大きな悪影響を及ぼしています。中国南部では同様な荒廃山地が広域に見られます。このようなことから,島根大学生物資源科学部と中国科学院と共同で,人間活動が生態系,水循環,土砂生産に及ぼす影響について研究を続けてきました(ただし,現在は休止中です)。

植生が貧弱な花崗岩山地。一部の流域を柵で囲って人為撹乱を制限し,囲い無しの流域と比較を行いました。

流域の末端に堰を設け,流量を計測します。

研究宿泊棟。

下流域河川の土砂堆積の様子。

経済発展めざましい中国ですが,田舎は電気,ガス,水道とも滞りがちで,生活環境は必ずしも良いわけではありませんでした。