水俣土石流災害災害(2003年)
我が国では毎年,梅雨末期の集中豪雨や台風により,山腹崩壊や土石流が数多く発生し,多くの被害をもたらしています。2003年7月20日午前3時半頃,熊本県水俣地方を襲った集中豪雨によって斜面崩壊が発生しました。崩壊土砂は土石流として流れ下り,下流の集落で15名の方が亡くなられました。また,別の場所で起きた山腹崩壊は,死者4人を出す災害となりました。この様な土砂災害が起きた場合,できるだけ早く現地を訪れ,山腹崩壊や土石流の発生原因について情報収集を行っています。

崩壊斜面の様子。

崩壊土砂は土石流となって流下し約1km下流の集落を襲いました。

河床堆積物の観察。

被災地の様子。

山腹崩壊による被害。
降雨データから山腹崩壊や土石流の発生を予測する為に,人工降雨実験,山地小流域での水文観測,シミュレーションモデルの構築を行っています。

崩壊地での人工降雨実験の様子。

兵庫県六甲山にある西おたふく山試験地で,雨による土壌水分や地下水位の変動を計測しています。特に地下水位の変動は,山腹崩壊の発生と密接に関係しています。

西おたふく山試験地を対象とした数値シミュレーションによる,降雨時の斜面安全率空間分布。安全率が1を下回ったメッシュが,表層崩壊の発生が予測された場所を表しています。