パソ熱帯雨林のガス交換
NIES/FRIM/UPM熱帯林プロジェクト内の京都大学/森林総合研究所/マレーシア森林研究所合同研究チーム
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調査地の情報

アジアフラックスのサイトコード : PSO
管理 : マレーシア森林研究所FRIM, NIES/FRIM/UPM熱帯林プロジェクト
位置 : 北緯2°58´, 東経102°18´, 標高(海抜高度)75-150m
植生 : 低地フタバガキ林(熱帯雨林天然林) (814種以上の樹木により構成される)
LAI : approximately 6.5
樹冠キャノピーの高さ : 30-40m (with emergent trees 45m)
年平均気温 : 25.3°C  年平均降雨量 : 1865mm (2003-2009)

地図


 

降雨パターンとその重要性について

 パソタワーサイトPSO の森林タイプは、大まかには熱帯雨林と分類されます。しかし年平均降雨量は1800mm程度と、それほど多くありません。はっきりとした乾季と雨季があるわけではなく、年2回の緩い乾季と雨季が存在し、その程度は年によります。また降雨のほとんどは午後遅い時間から夜間にかけて見られます。
 このような降雨パターンをもつパソタワーサイトは、東南アジア熱帯雨林の境界タイプの森林と位置づけられるでしょう。それゆえ、パソタワーサイトは、降雨量や降雨パターンの変化、気温の上昇、大気や土壌の乾燥、(山火事や焼畑を原因とする煙がひきおこす)日射の減衰など、 将来起こるかもしれない気候変動にたいして、東南アジアの熱帯雨林がどのように反応するかを知るのに最適な調査地です。というのも、熱帯雨林の境界条件にあるパソタワーサイトでは、現実に起こっている降雨や気候の条件が、より湿潤な他の東南アジア熱帯雨林が将来乾燥・降雨の減少などの気候変動に見舞われた際に経験するでろう環境と似通っているので、実際にパソ熱帯雨林が経験する気候の振れ幅の中でガス交換がどのように変動するかを調べることで、気候変動に対する東南アジア熱帯雨林の反応を予測するための重要な情報を得ることができるからです。
 
 
 
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